屋根 は家を守る最前線。北海道に多い屋根のタイプとその構造を知ることで、日常のお手入れや、いざというときの対処法がわかります。
北海道の住宅の屋根は冬季の積雪に備えて瓦を用いず、板金によるトタン屋根を採用することがほとんどです。屋根の施工は専門の板金工務店が担当しています。 北海道の代表的な屋根を見てみましょう。
①ダクト式屋根
北海道に多いダクト式の屋根。
建物の周囲に空間の余裕のない時、極力落雪を伴わない屋根として普及しました。雨や冬季の積雪を受け止め、屋根に設置したダクトから建物内を通して雨水や雪解け水を排出します。建物の外観が四角で、北海道ならではの景観を作っていますが、雪が多い年には雪庇などの問題が起こりやすいといわれています。
トラブルはやはりダクトと排水溝に集中します。枯葉などが排水溝をふさがないよう、定期的な点検と掃除を行う事がメンテナンスのポイントとなります。
ダクト内の排水溝は定期的なお手入れが必要です。
無落雪といいますが、大雪の年は雪庇の発生に注意
②片屋根
傾斜が片方のみに流れる屋根で、開放感がある室内を作りやすいため人気です。
傾斜は比較的緩いものが多いですが、雪がすべて片方に流れるために比較的大きな落雪スペースが必要になります。
雪を落とす場所がない場合は屋根材質の選択や雪止めなどの処置で雪が滑り落ちにくくする対策を行います。
建物の断熱が不十分だと危険なつららの発生が!
雪のずり落ちを防ぐ雪止めも効果的
建物の断熱が不十分な場合、つららができやすく、つららが融けた雪水の流れをせき止めることで建物内に水が流れ込む「すが漏り」にも注意が必要です。
③切妻屋根
かつての公営住宅にも多かった左右に雨、雪を落とす屋根スタイルです。
雪を落とす敷地が必要となりますが、近年再び人気が高まっています。
傾斜が比較的急なため屋根上の雪は落ちやすい傾向にありますが、屋根材の経年劣化で雪が滑りにくくなっている場合などは要注意です。
落雪をコントロールするために雪止めなどを設置する場合も多いですが、その場合は住宅の構造と雨仕舞に関する知見が必要です。
④陸屋根(片流れ)
最近よく見るタイプで外見はダクト式に似ていますが、ダクトはありません。
建築コストが低いのが魅力ですが、水処理をきちんとしないとつららや落雪の恐れがあります。 時には 雪止めが必要になることも。